乳首なんか遠い昔にちぎって捨てた
いつでも何かの裏側 が すごく知りたかった
内部事情とか企業秘密と言われること全般に興味があるのは、割と多くの人に共通する意識ではないかと思うけど
実際にそれらを知る事はかなり困難と言うか、ほぼ無理と言う気がしている
人間が体感できることなんてたかが知れていることを今更のように絶望する、と言えば大げさでそぐわないとしたら諦観するしかない
推定推測憶測 そして想像妄想でしか語れず見えず
芸能人のギャラや、スポーツ選手の年俸も 人気ラーメン店の秘伝のスープの作り方も
AVの現場のスタッフの苦労話とか サントリーウェルネスのネット広告はあんなにあざとい作り方をして、どれくらいの需要があるのかとか
ブラックと言われている企業で働く人の本音とか
他人の本音はもちろん 自分の本音さえもベールがかかったまま
曖昧にぼやけている
見えるものだけ、発せられた言葉だけ信じられれば幸せかも知れない
自分の目はただの節穴に思えるし、聞こえるのは空耳
本当を知りたくて目に見えるものの裏に何があるのかどこまで行っても辿り着かない
うまくいかないことを何かのせいにするのは卑怯だし
そのカードを封印すれば ポンコツな自分が増殖していく
乳首なんか遠い昔にちぎって捨てた
ブラックマヨネーズの吉田が ハイヒールのキャッチコピーとして考えた言葉は
疾走感があって 大晦日に考えてしまうウダウダをクラッシュしてくれる
捨てたいのは 涙や迷いや執着や様々な煩悩を
きっと私は モノも人も心も何もかも 捨てられないまま 除夜の鐘を聞くんだろう